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記事一覧

自己植民地化の国

新作民話かたり芝居の稽古に入った。
遠賀川民話「ささぎつね」を土台にした「太平伝」だ。

民話はトラディショナルソングならぬ、トラディショナルストーリーだ。
無名民衆の伝統的な集団創作である。

小森陽一氏いわく、この国は植民地化を強制された国ではなく、明治維新後「自己植民地」化を選択した国である。

私もふくめて、伝統的民衆文化を低位なものとの眼差しで眺めて、欧米文化を開明的な優れものとありがたがってきた。
演劇も、またしかり。

ところが琉球は、ヤマトに併合されたが、独自文化の誇りを失わずにきた。
昨今の琉球音楽の興隆には、そんな背景があると思う。

いまヤポネシア列島文化に必要なものは、自己植民地化文化の解体と、トラディショナルの発見だと思うのだ。

「太平伝」を、私たちの優れもの作品に創りこんでいこう。
それは、トラディショナルストーリーの再創造でもあると思う。

自己植民地化アートの権威など、どうでもよろしい。
私たちには関係ない。

私たちは、道端で演じるトラディショナルな芝居をめざす。

そのための次なる一歩を。
それが定期公演稽古の値打ちであろう。

【釜】

梅雨明け、夏!

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北部九州も、梅雨明けしたそうだ。
見上げると、もうすっかり夏空。

先日日曜日のワイワイキッズでの、民話かたり芝居公演で、6月の公演は終了。
次は8月5日に、大宰府で「しいの木はよみがえった」。
今年は年間で、25ステージを超える予定だ。

だから、いろんな実務を今の間にこなして行こう!

ぴーすきゃんどるナイト久留米の準備。
定期公演のコンセプト確定。
まず、知恵をしぼるべき懸案も、いくつか山積している。

今日はいまから、日々の基礎トレーニングだ。
懸案事項に頭をフル回転させながら、トレーニングをがんばりますか。

写真は夏空の雲。

【釜】

たのしい土曜日2(上演風景)

昨日、金丸コミュニティセンター・ワイワイキッズへおじゃました際の上演風景です。

子どもたちとのかけ合いから始まりました。
会話のやり取りにお互い笑顔がこぼれます(*^0^*)/
トーク

紙芝居の、はじまりはじまり~!
紙芝居

お話の合間に、身体を動かしたり、脳を動かしたり…七夕クイズも!
クイズ

のりちゃん得意技エイサーも披露!高く飛んでます。
エイサー

最後は、民話かたり芝居「たろうべえはたんぽこたん」。
魔物と人間と子どもたちのかけ合いがおもしろい(* ̄▽ ̄*)
たんぽこたん

このように楽しいひとときが過ぎていきました♪

【尚】

たのしい土曜日

本日は、台風前でカンカン照りのおひさまが。
金丸校区コミュニティセンター、ワイワイキッズへおじゃましました。

紙芝居とお芝居を見てくれた子どもたちと保護者のみなさま、ありがとうございました。
また、お世話になりました関係者のみなさま、ありがとうございました。

七夕のお楽しみ会、みんなでいっしょに過ごせた楽しいひとときでした(*^0^*)

上演風景

【尚】

七夕、短冊に願い事

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梅雨のじめじめした湿気もありながら、真夏のような日差しも感じられます。

体調を崩しやすいこの時期。

水分と睡眠をしっかりとって、万全の体制で公演に臨みたいところです。

さて、明後日の25日、金丸校区コミュニティーセンターでの九州民話劇場出前。

紙芝居「じいさまときつね」と民話「たーろべーはたんぽこたん」の新しい組み合わせで、おこないます。

今回の公演は、7月7日の七夕に合わせたお楽しみ会にて。

短冊に願い事を書いて、笹に飾り付けをするそうです。

そんな会に、おじゃまします。

会場にいる子どもたちと一緒に、楽しい時間をつくれるよう、頑張ります!

【法】

民俗文化と民族

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民俗文化は、地域コミュニティーの文化資産のことなり。

民族とは、近代的概念だ。
19世紀に、民族という概念は、人を動かす力を持っていた。
同一民族で一つの国民を形成し、国民国家を確立する原動力となった。

20世紀になると、民族という概念は読み変えが行われた。

アジアやアフリカという、植民地主義の侵略対象になった人々が反植民地主義を唱える民族自決のキーワードとして、民族という概念は蘇った。

だが、民族という概念は近代に生まれた大きな概念であるために、民族に内在する民俗の多様性を否定してきたのではなかったか?

高千穂神楽と早池峰神楽を、同じ民族文化とみるのが民族概念なら、その違いと多様性をみるのが民俗概念である。

民族概念は、多様性を一つにくくる統一概念であり、そこから中心と辺境という区別を生み出した近代概念であると思う。

私たちは、九州山地に分け入り、民俗芸能の数々に触れることによって、民族という統一概念ではなく、民俗という多様概念に、目を開かされてきた。

そしていま、民俗文化を資産とした創造に取り組みはじめている。

九州民話かたり芝居とは、そんな文脈から現れてきた。

私的には、高度経済成長で地域コミュニティーが崩壊していく過程を育ってきた私は、それを進歩とする価値観に生きてきた世代である。

だから、私の内なる蓄積文化のなかに、民俗文化は存在してこなかった。

いま九州山地彷徨の中で、民俗に目覚め、そこを創造の源泉としようとしている。

これは、私的には生き直しであり、今までの都市信仰の否定なのだ。

民俗文化を源泉とした九州民話かたり芝居が、各地で好評なのは、民俗という多様概念の魅力に、様々な人が気づきだした背景があるのかもしれない。
【釜】

久留米にあった戦争

本日は、6月19日。福岡大空襲のあった日です。
合わせたわけではありませんが、8・11久留米空襲があったことを未来へつなぐための「ぴーすきゃんどるナイトくるめ」の第1回打合せ会を本日開催いたしました。
雨の中、お集まりいただいたみなさま、ありがとうございました。

足下の記憶から未来の平和を考える企画として、今年で3回目を迎える「ぴーすきゃんどるナイトくるめ」。
本年も久留米市「ピースフル久留米2011」参加企画として開催させて頂きます。

久留米にも、戦争がありました。
久留米にも、戦争加害者と戦争被害者がいました。

ぴーすきゃんどるナイトくるめは、久留米空襲のあった8月11日に開催いたします。
場所は、金丸校区コミュニティセンターにて。
終了後は、希望者で小頭町公園にある久留米空襲慰霊碑へ移動し、キャンドルをともします。

ぴーすきゃんどるナイトくるめ2011、いよいよ本格始動です。

【尚】

病院で民話かたり芝居

今日は、九州民話かたり芝居を、佐賀のみやき町の光風会病院で公演。

呼んでいただいた皆様、お世話いただいた皆様に厚くお礼申し上げます。

病院での公演は初めてでしたが、患者の方々の温かい眼差しに支えられて、無事公演を終えました。

光風会病院は、森の中の素敵な病院。
広い敷地にいろんなタイプのスペースもありました。

市民との交流を大切にしてある様子も、ほんとに良くわかりました。

雨の土曜日、しっとりとした午後に、熱いひとときを皆様とご一緒できて、ほんとうに楽しい時間でした。

【釜】

体力とエネルギー

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本日は稽古日。

かたり芝居の2本立てを通し稽古。

テンションを上げ、キープしながら、衣装を羽織って、仮面をかぶって、前へ後ろへ右へ左へと動きまわる。

終わった後には、汗だく。

足元は、ふらふら。

身体も頭も、常にフル活動させながら、エネルギーを使う。

だが、それだけのエネルギーを使っても、まだまだ足りないと感じる。

体力をつけなければ。

もっと、自分の身体を自由自在に操るために。

【法】

コトバ~方言(その2)

福岡も梅雨入りして1週間が過ぎました。
土砂降りの雨と横殴りの風が続きましたが、ここ数日は穏やかなくもり空が続きます。

先日、九州方言について記載しました。(詳しくはコチラ
九州地方の方言は、おおまかに三つに分かれます。

ひとつは、九州地方の東側・太平洋側の方言です。
豊前・豊後・日向の頭文字をとって、豊日方言と呼ばれます。
現在の、福岡県南東部・大分県・宮崎県のあたりです。
この地方の方言は、瀬戸内海圏の一環として、中国地方の影響を強く受けた方言となっています。

ふたつめは、九州地方の西側・日本海側の方言です。
筑前・筑後・肥前・肥後の頭文字をとって、筑肥方言と呼ばれます。
現在の、福岡県南東部以外の地域・佐賀県・長崎県・熊本県のあたりです。
代表的な九州方言として取り上げられる「…バイ」「…タイ」「…バッテン」といった言葉は、一番特徴的に筑肥方言に見られます。

みっつめは、九州地方の南部の方言です。
薩摩・大隅の字をとって、薩隅方言と呼ばれます。
現在の鹿児島県のあたりです。
南方の奄美諸島は行政区として鹿児島県に属しますが、その言葉は沖縄方言の範囲に入ります。

大きく三つに分かれますが、当然、地域をはっきり区切ることはできません。
福岡県うきは市や朝倉市、大分県日田市では、人々の交流が盛んだったためか、それぞれに筑肥方言や豊後方言の影響を受けています。
また、壱岐の言葉は筑後方言に類似していますが、対馬の言葉は、なぜか九州の反対側・豊日方言に共通するものが多くみられます。

おもしろい。
コトバの動いた道は、ヒトとヒト、そしてヒトと地域・自然の物語だと思います。

【尚】

訂正!

前回ブログに記載しました劇列車メールアドレスは、info@dramatrain.jpです。

劇団通信巻頭言を転載

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三日続けて雨。でも夕方には少し晴れ間。
夏至の前は、一年で好きな季節です。
光が生気にあふれ、輝いている。

夏至を過ぎると、日光がだんだん鈍くなるのです。

さて、劇列車の劇団通信は、私たちの活動報告とこれから、そして活動理論の探求を載せています。

ここ数年、劇列車の活動参照系は、九州島九州山地の奥深くに散在する民俗芸能です。
「民族」ではなく、民俗。
民俗芸能の実演現場を見て歩くと、コミュニティーと芸能の関係、暮らしと芸能の関係がよくわかる。

そんな参照系を持って展開してきたのが、劇列車の九州民話出前劇場なのです。

劇団通信28号巻頭言では、民話出前劇場について、私たちの考え方を示しています。

よかったら、ご購読ください。
お申し込みは、劇列車にメールにて。
info@dramatrai,jpへ。

写真は、独自に見に行った豊前神楽。道の駅での上演風景。

劇団通信を発送

九州北部は、やっと梅雨に入ったというのに、沖縄は、もう梅雨明け。

おかしな気候ですね…。

さて、今日は、一週間後の18日(土)、光風会病院での公演に向けた稽古。

毎回、作品の組み合わせは様々ですので、今回の作品順に通していきました。

改めて通してみると、お囃子、エイサー、民話かたり芝居、紙芝居などから成る「九州民話出前劇場」が、また一つパワーアップしていることに気づきました。

それはきっと、「九州民話出前劇場」のパーツとなる個々の作品が、各々で面白くなっているから。

初御披露目してから、徐々に形態を変化させてきた大分民話のかたり芝居「たんぽこたん」も、今回上演させていただきます。

そして、午後からは、劇団通信「劇列車がやってくる」の発送作業を行いました。

少しおくれた春号となりましたが、皆さんのお手元に届けです。

【法】

かなざわからの手紙

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今日、帰宅すると金沢から手紙が来ていた。
「かなざわ演劇祭2011」の報告パンフレットだった。


私たち劇列車は、かつて痛い思いをしている。(痛い思いは、自慢できるくらい、たくさんあるのだが…)

数年前だが、関西圏の、とある演劇祭から出演依頼がきた。
真面目に検討し、恥ずかしながらでも、見ていただける機会があれば…、と考えて申し込んだ。

すると、電話がかかってきて、「劇列車をプロと間違えました。出演したかったら、プロになった時に、再度申し込んでください」とのことだった。

バカにするにも、ほどがあるというものだ。
真剣に出演を検討した私たちは、苦いものを飲み込んだ。

日頃私たちは、ほとんどの人が見向きもしない九州民話をとりあげて、地域に分け入り、子どもたちに届けている。

そのことに誠心誠意を傾けている。

ところが、地域に分け入り子どもたちと出会う作業を、「子どもだまし」で事足りると思う大人も多い。
子どもを尊敬していないのだ。

そういう大人の声や眼差しに出会うと、悲しくなる。

だから、期待せずに「かなざわ演劇祭」のパンフレットを広げてみた。

すると驚いた。
とっても共感できる言葉の数々が、踊っていた。
紹介したい。
無断抜粋になるのかもしれないが…。

「大都会であれ山辺であれ海辺であれ、それぞれに文化と人々の息づかいが鼓動している地域である。
そんな地域に根をおく演劇がそれぞれに絡まり、繋がり、反発し…そこから生まれる響きあいやうなりが心を震わせる」

「かなざわ演劇祭は、地域で生活し、そこに生きるものが持つリアリティによって価値づけられ構成され、それぞれの作品発表と交歓をめざします」

こんな演劇祭があったんだ…。

劇列車を、どこでキャッチされたのかわからないが、ヤポネシア九州島の片隅で地を這う私たちに、はるばる郵送してくれて、ほんとにありがたい。

この場を借りてお礼申し上げます。

今年の秋には、また演劇祭があるそうだ。
チャンスがあれば、一度拝見して、いろいろな刺激を受けたいと思う。

「かなざわ演劇祭」。
とても感心し、関心を深めたがゆえに、ここに紹介をさせていただきます。

【釜】

地域芸能と子ども~中江岩戸神楽

昨日は、中江岩戸神楽定期公演見物。2011年度劇団研修でした。

中江岩戸神楽

雨の降る中でも開催できるよう、客席にシートを張ってありました。
毎度のことですが、クライマックスには餅まき。帰りには高原野菜のお土産。
多くの人に、共に神楽という場を楽しんでもらいたい想いが伝わるようです。

さて、私の隣に座っていらっしゃった地元の方が、親子3代家族連れでいらっしゃってありました。
お孫さんは、見たところ小学校入学前の女の子。
神楽舞を見ながら、手に持ったお菓子を御幣のように振り回し楽しんでいる様子でした。

とはいえ、やはり子どもはお面が恐ろしい様子。
神楽面をつけた舞い手(子ども神楽だったので、おそらく小学生)に抱えられそうになると、母にしがみつき大泣きしていました。
おばあちゃんは、「○○ちゃんを守ってくれる鬼さんだよ~」となだめます。
お母さんは、早々に舞い手にお子さんを引き渡し、その様子の写メ撮影にいそしんでいます(笑)

荒神の演目だったのですが、お子さんは抱っこされると、健やかな子に育つと言われ、親は子を競って抱いてもらいたがります。
獅子舞に頭をかまれると縁起がいいといわれるのと同じです。

そんな様子を見ながら、ほほえましく思った神楽見物でした。

【尚】

蛍が飛びかう風景

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秋月ろまんの道にて開催の、ほたるライブへ、行ってきましたぁ〜♪

夜19時〜、といっても夏の夕暮れは遅いので、まだ明るさが残る時刻。

秋月の緑溢れる景色を感じながら、ライブは始まりました。

ライブは、三線ロビンズの皆さんが出演。

はじまると、会場全体に、沖縄の風がふわっと吹いて、一体感に包まれました。

ライブの後は、ほたる鑑賞へ。

秋月の街を歩きながら、ほたるが生息する場所へ移動。

初めてお会いした方々もいらっしゃいましたが、ライブで楽しいひとときを過ごした者同士、会話も弾みます。

今年は、土砂などの関係で、川の水が濁り、ほたるの数は少ないとのお話しが…。

ですが、実際の場所へ案内していただくと、無数のほたるが飛び交っていました。

涼しい夜風。

田植えの終わった田んぼからは蛙の合唱。

ほたるのひかり。

ご近所さんが集まってバーベキュー。

秋月って、素敵な場所だと、改めて感じました。

【法】

劇団通信28号に着手

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本来なら、5月発行のはずの通信28号が、半月遅れている。
春号が夏突入号にずれ込んだ。

原因はただ一つ。新作台本の遅れにあった。
だが、いま急速に通信作成作業が進んでいる。

今回は、新年度事業特集号なので、原稿が進むのだ。

28号で取り上げたい取り組みは、劇列車の民話かたり劇の野外「道端」上演だ。

ストリートミュージシャンがいるように、ストリート演劇があってもよいではないか。

劇場は建物と限らない。道端も劇場なのだ。
秋月で取り組む機会をいただいてきた「道端」演劇。

その面白さと秘めたる可能性について、書いてみたいと思っている。

道端演劇こそ、究極の「持たざる者」の演劇ではないか?
やる側にお金がかからないから、見る側もお金がいらない。
それでいて、お互いに楽しい時間を持てる。
退屈だったら、すぐ離れられる。

ストリート演劇、道端演劇。

劇列車にふさわしい「持たざる者の演劇」。
お金がないと、演劇を見れないなど、おかしい。
よい演劇のチケットが高いなど、おかしい。
そんなのは「金持ち演劇」だ。

どこか遠くの側の「良い演劇」の世界など、私たちには関係ない。

演劇を見てから、洒落た店で飲み食いして帰る演劇など、演劇好きのお金持ちの道楽としか思えない。

道端でやろうぜ!演劇を!

【釜】

新作台本お披露目

イベント情報を更新いたしました(^^)
5月から10月まで6ヵ月間で、11の公演・イベント予定が!
数ではとても測れるものではありませんが、それぞれ機会を下さったみなさまに本当に感謝です。

そんな中、本日新作民話かたり芝居の台本の内部お披露目が。
12月の定期公演にてお披露目予定の作品「ささぎつね」です。
劇列車座付き作家のかまほり氏によると、更に推敲させていくとのこと。
12月にお届けする際には、どのように練り上げられているのか…みなさまお楽しみに♪

さてさて、「ささぎつね」は30分程度のお芝居に仕上がる予定。
その中に民謡やオリジナルソングや…うたも入ってきますよ~(*^0^*)
仮面あり生演奏あり。劇列車流民話かたり芝居です。

【尚】