やっと梅雨明けになりました。朝夕には、ひぐらしの交響曲。本格的夏の到来です。
さて、一ヶ月前に申請していました「子ども食堂、無料塾、外国籍の子どもたちへの人形劇巡回公演」への助成が決まりました。
ずっと何年も、構想を温めてきた企画です。
「どんなこどもにも劇を!」という劇列車ミッションは、「困難を抱える子どもに劇を!」の意味を込めています。
それが偽善的に聞こえるかもしれません。
しかし私自身が、怒声の飛び交う家庭で息を潜めて生息していた子どもでした。「本の世界が生きる支えだった」子どもだったのです。
だから、どうしても困難を抱える可能性の高い子どものいる場所へ、劇を届けたかったのです。
「困難を抱える子どもに劇を届ける?」「何をバカなことを。お前たちは夢想家だ、そんなことは妄想にすぎん。」
そんな声に取り囲まれてきたように思えます。無関心にもさらされてきました。
私たちの提言に耳を傾けてくれる人は、ほんとうにごくわずかだったのです。
それがこの度、助成が決定。
私たちの構想が、夢想でも妄想でもなかったことが証明されたのです。
これが嬉しくてなりません。
そして、この助成を得たことで、困難を抱える子どもの発達のために頑張る各地の大人たちと出会っていく可能性を得たこと。これも嬉しいこと。
そして何より、私たちの人形劇が、困難を抱える子どもに希望を育む機会を得たこと。これは身の引き締まる思いです。
困難を抱えると、先が見えなくなります。空の青さも緑の木々も目に入らなくなります。風のそよぎも感じられなくなります。全てが虚ろ。
生きる意欲が希薄になるのです。
下を向いて、ひたすら歩いていくのです。眼差しをあげようにも、その気力がなくなるのです。
だから、そこに裂け目を入れて、眼差しを上げて前を向く力が湧く作品が求められるのです。
身が引き締まり、頑張ってやるぞ!と思うではありませんか。
今年は一ヵ所を訪問します。これを土台にして、無料塾や子ども食堂へ、来年以降複数回の巡回を実現して行きたいと思います。
最後になりましたが、今回助成を認可していただきました、筑後川コミュニティ財団の皆様、審査委員会の皆様、ほんとうにありがとうございました。厚くお礼申し上げます。
【釜】
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