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大人のための人形劇学校、近づきました

2020.12.10 (木)

師走に入りました。周りの景色は初冬色。赤や黄色に色づいた木々の葉も、だんだんとくすんできました。焚き火の煙も甘く匂う季節です。冬至まであと10日あまり。

さて、「こどもと関わる大人のための人形劇学校」の開催が近づきました。

講座1は人形劇体験ワークショップ、講座2は人形劇クリニック(人形劇団どろんこの上演と講師のアドバイスの様子を見て学ぶ)、講座3はフリートーク(こどもの発達と人形劇の関係をめぐる基調提案を元に参加者で話し合う)です。

講座1はまだゆとりがあります。講座2は定員に達しています。講座3は定員まであと僅かです。
参加を御検討されてある皆様は、お早めにお申し込みください。

今回の講師は、昨年に引き続き、日本ウニマ会長のくすのき燕氏。

講座2の上演劇団であるどろんこは、九州大谷短大卒業生でつくる人形劇団。

講座3の発言は次の方々です。まずは、ふくおか教育を考える会代表の多田さん。多田さんからは、ふくおか教育を考える会が精力的に取り組んでいる「演劇コミュニケーションワークショップ」の報告。
久留米市内の公立高校での経験が長い塚本さんからは「学びの共同体」の報告。同じく江頭さんからは、日本の学校を覆いつくした「能力主義」についての報告。
基調提案は劇列車からです。

日本のこどもの発達を阻むものを報告する基調提案を踏まえて、上記の方々の発言を受けます。そして、グループ討議で「それぞれの発言に共通する何か」を探っていく予定です。

いささか網羅的なワークショップですが、今回のワークは、人形劇の本質と技を学ぶ講座と、人形劇の観客となるこどもの発達を考察してみる講座。その2つの柱から成り立っています。

人形劇を演じる大人は、こどもが喜んでくれたらそれで満足する。こどもの教育に携わる大人たちは、学校の枠の中でこどもをとらえる習癖に慣れきってしまっている。

けれども、時には人形劇を観たり毎日を学校で過ごすこどもは、同じ一人のこどもです。同じ一人のこどもに、人形劇にしても教育にしても、大人たちはさまざまな方向から働きかけているのです。
ところが、大人たちはバラバラな働きかけで自己満足してしまっている。それは、それぞれの大人の都合でこどもをみる眼差しに、大人たち自身が慣れきってしまっていることの反映なのではないでしょうか。

こどもの芸術体験と教育体験は、こどもの立場から捉えるならば、発達を支える車の両輪のはずです。ですから、芸術も教育も、こどもの発達という同じ土俵に立つ必要があると思われます。
同じ土俵に立つには、この両者が同じ場を共有することから始まると思います。
これが講座3の趣旨です。

これはきっと、いまの日本では希薄になってしまった発想です。この発想が希薄になっているから、芸術の側は教育学の成果を取り入れることに怠慢であるし、教育の側は、芸術の力がこどもの発達に活用できることをネグレクトしている。しかもネグレクトしていることすら気がつかない。現在の日本は、そんな状況に落ちいっているのではないでしょうか?
これは深刻な事態です。

それでよいはずがないのです。
日本のこどもたちは危機的状況を生きています。国連子どもの権利委員会は、この危機的状況打開の必要性を、日本政府に対して再三勧告を出しているのです。

コロナ感染防止対策はとっております。ちょっと面白そうだなと思われる皆様、御参加いただけますと幸いです。とおし参加も大歓迎です。

【釜】