4月も下旬に入りました。劇列車は「どんぐりと山猫」稽古と製作、5月開催予定の2021年度理事会と総会準備にてんてこ舞いしています。
どんぐりと山猫製作関係では、やっと舞台装置が仕上がってきました。昨年11月に製作を開始して、コツコツと約5ヶ月。あとは、やっと微修正の段階に入りました。今からの課題は「塗り」になります。
月曜日に野外にて、ある程度舞台を組んで見ました。大きな不具合もなくホッと一安心。5ヶ月の努力の結晶なので、思わず見入ってしまいます。いい感じです。
目標は、本番での組み立て60分、バラシで50分をクリアすることです。
なんとかクリアできそうか…。
様々な工夫を仕込んだ組み込んだ舞台装置ですが、まだ改善の余地も残しています。
どう素早く組み立ててばらすかは、ヒモやボルト、収納袋の材質や数などにも留意して、その使いがってのよさを工夫することも大切になってきます。
さて、理事会総会準備では、事業報告と事業計画、決算予算が完成しました。
私たち自身の事業について、①人形劇が内包する「民衆性」から見つめ直すこと、②マーケティング(創り手と受け手の共有出来る価値の創造)から見直すこと、③普及啓発と社会包摂の違いを押さえた上で、各事業性格を見直すこと。以上の観点から執筆と議論を行いました。
また、コロナ禍の中でも可能な自主事業を立ち上げ、2020年度に累積した赤字打開の礎づくりも狙っています。
さらに第二次中期ビジョン(アマチュア性を超えたアマチュアによる公演班2チーム編成)に、重大な修正も行いました。
以上の観点から、創造と事業(運動)・組織についての今までの経験を一度オーバーホールし、新たな観点で組み直してみたのです。
そんな事業報告と事業計画になっています。
さて、いろんなことは一つひとつしか進まないのです。
一つひとつのことは、それだけ(表層)を見ていたら、いま何をしているのかわからなくなることもよくあります。
大切なことは何か。
一つひとつの些細なこと(表層)が、何の達成につながるのか、一つひとつのことが何を産み出すのか、未来から今を見る「複眼の眼差し」をもつことではないでしょうか。
その「複眼の眼差し」は、表層に惑わされずに、表層に隠されている本質を見抜く「透視する眼差し」でもあるはずです。
そのような「複眼の眼差し」と「透視する眼差し」こそ、事業(運動)を成していくために、必要な眼差しなのだと思うのです。
それが、事業(運動)を支える実務の眼差しなのだと思えてなりません。
創造と事業(運動)は、いつも弁証法的に発展していきます。
あること(テーゼ)は、次に反なるもの(アンチテーゼ)へと変化し、高次の合なるもの(ジンテーゼ)へと変化していくのです。
その変化の原動力は、「矛盾と対立」そのものにあります。
ですから、表層に囚われてしまうとめげることもあるでしょう。
しかし未来から現状をとらえる「複眼の眼差し」と、表層の奥にある本質を見抜く「透視する眼差し」をもつと、めげずにすむのです。
そのことを「楽天性」と呼ぶのです。
それは、事業(運動)を担う人間が、ぜひとも身につけておきたい力なのだと思うのです。
【釜】
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日々の雑感
- Date:2021/04/21(水)18:16
新作「どんぐりと山猫」、人形たちが動き出すおもしろさ
- Date:2021/04/12(月)19:13
3月末に集中した公演がひと段落し、年度末と新年度の事務作業に追われる日々です。
そんな中でも、新作「どんぐりと山猫」の稽古は進んでいます。
人形という“モノ”は本当に不思議です。遣い手が操って初めて動くのです。
…当たり前のことですね(^^)でもこの当たり前のことに、稽古の中で幾度となく気づかされるのです。
どういうことかと言いますと、どんぐり同士のケンカの場面を例にお話します。
“どんぐり”は15㎝程度の小さな人形です。そのどんぐり2体が、大きなどんぐりに向かって体当たりをする場面があります。
どんぐり2体は、一人の遣い手が片手ずつに持ち、操っています。右手のどんぐりと左手のどんぐりは、全く異なる性格です。
この2体のどんぐりがそれぞれ不規則なテンポで体当たりをすると、“右手のどんぐりと左手のどんぐりが体当たりをしている”ように見えます。
ところが、一定のリズムで交互に体当たりすると、“遣い手がどんぐりという道具を使って張り手をしている”ように見えるのです。
どちらも“体当たりをする”という表現を目指して行われた行為ですが、見え方が全く違うのです。
遣い手が動かして初めて動く“モノ”たち。ささやかな動かし方の違いが、見え方に大きな違いを生んでいます。
このような発見の積み重ねで、新作「どんぐりと山猫」の稽古が進んでいます。
毎回の稽古が、毎回の発見が、おもしろい。みなさんにお届けする時点でどのように仕上がっているのか、楽しみです。
【尚】
ふくおか人形劇・交流と研究の会発足
- Date:2021/04/07(水)17:54
バラの花も満開に近くなりました。毎日朝のウォーキングとジョギングも、楽しみが増しました。日々、野の花の開花が見られるのですから。
誰にも見られなくても、可憐に懍と咲く野の花を、私は大好きです。
品種改良された花のスマートさはないけれど、素朴な可憐さに溢れています。
さて、劇列車は助成企画報告書類作成や理事会総会準備、そして3月下旬の連続企画を終えて再開された「どんぐりと山猫」稽古におお忙しです。
劇列車の全事業を統括する事務局会議は、助成申請時期の秋と、理事会総会準備の春が多忙を極めます。
一方、「どんぐりと山猫」稽古は、どんぐり人形をどう動かすか、試行錯誤の日々です。単純なフォルムと単純な動きしか出来ないどんぐりクンたち。その生き生きとした動きを発見しながら、劇中のプロット(登場人物たちの関係を明らかにして、その関係の変化を描く小さな塊のこと)を成立させていくのは、なかなかに難しいのです。
難しいけれども、それがおもしろいのです。
さて前置きが長くなりましたが、4月18日日曜日に「ふくおか人形劇・交流と研究の会」が発足することをお知らせします。
昨年12月の「大人のための人形劇学校」にて、発足を呼びかけていたものですが、いよいよ発足です。
これは、人形劇表現に取り組む人々の交流と人形劇研究の場です。
交流と研究は、創造実践を刺激し、創意あふれる創造の母です。
活動交流と、それぞれが抱える人形劇表現の壁を報告しあいながら、技術の共有が出来ればいいなぁ、と思っています。
人形劇では、どうしても解決が出来なかった難題が、他の団体で蓄積された技術を見て「なぁんだ、そういうことか」と解ることがたいへん多いのです。目から鱗が落ちるといいますか。そんな経験をすることがよくあります。
そう考えると、人形劇は過去に蓄積された技術から学ぶことも多いし、他の団体から学ぶことも多いのです。
学びあいから、福岡の人形劇がゆたかに発展するきっかけが出来ていけば、と思っています。
「ふくおか人形劇・交流と研究の会」には、北九州市や篠栗町からも参加される方々がいます。お逢いできることを、たいへん楽しみにしています。
この会がどこまで継続できるか未知数ですが、先ずは発足させなければ、と思うのです。
4月18日の場所は、朝倉市秋月の劇列車稽古場「アトリエ山猫舎」。時間は13時から14時半まで。参加費300円です。
人形劇をやっていなくても、関心のある方ならば誰でも参加できます。
劇列車コアサポーター会員の皆様、またブログをお読みの皆様、「ふくおか人形劇・交流と研究の会」に参加して、学びあってみませんか?
【釜】
6企画に助成決まる
- Date:2021/04/02(金)14:30
4月になりました。今日はバラが開花していることを発見。開花が1ヶ月早いような気がします。
さて、昨年度に助成申請をしておいた今年度の6企画全てが助成採択されました。
芸術文化振興基金、子どもゆめ基金、福岡県教育文化奨学財団からの助成を受けることになります。
とくに芸術文化振興基金は、初めての申請でしたが無事採択されました。
市民人形劇学校~実技編、市民人形劇学校~研究・実践交流編、親子であそぶ人形劇がっこうinくるめ、親子であそぶ人形劇がっこうinちくしの、第22回定期公演、冬のおやこ人形劇場に助成をいただけることになり、ホッと一安心。
6月には朝倉エリアなどで開催したい人形劇であそぼ!企画に助成申請をする予定です。
もちろん報告書類作成も大変になってきますが、事務局力量の強化で乗り切っていくつもりです。
ひとつ一つ力をつけていることを実感する毎日です。助成を得る力もついて来ているのでしょうね。といっても、頭を悩ませ、ウンウンうなっている毎日に変わりはないのですが…。
コロナ禍第4波が懸念されるなか、年度初めの4月1日に、幸先のよい出だしとなりました。
【釜】