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今年度最後のパペットシアターPROJECT

2023.03.13 (月)

昨日は久留米市内K小学校ワールド学級にて、今年度最後のパペットシアターPROJECTでした。

「どんぐりと山猫というはなし」観劇と対話のひろば及び舞台裏見学まで。

対話のひろばで発言してくれた女の子。
「尖ったどんぐりは尖った頭で人の眼をつくことが出来るので、役に立つのではないですか?」と発言してくれました。

う~ん。
確かに何が役に立つかは、人それぞれで変わるもの。
鋭い指摘に一本とられました。

アンケートに、壁の画を紙いっぱいに描いてくれた男の子。
司会が発言を求めたところ、なかなかしゃべってくれません。
でも、後から人形を自分で動かしてみて大満足。
彼の表情が、みるみる輝いていきました。

子どもたちが帰った後、K小学校ワールド学級の先生4人の方々とちくご川コミュニティ財団様、芸術文化観光専門職大学の古賀様、そして私たち劇列車が、車座になって、大人同士の懇談会。
子どもへの文化支援の大切さを共有しあいました。
そこで出されたことに、こんなことがあります。

まず文化支援とは心への支援であることです。
文化体験格差は、その時その時では僅かな差に見えます。
だから放置しておいてもよいことのように思えます。
けれどもそれが長い年月を経た時に、取り返しのつかない大きな差となってしまう…。

つまり、文化体験でしか形成し得ない「大切な何か」があるのです。
それは想像力であり、共感力であり、自己の再発見であり。
つまり、見えない形のない大切な何かなのです。

「文化体験格差是正」をめざす文化支援に対しては、社会的共通理解がまだまだ低いという冷酷な現実が横たわっています。

あらためて声を大にして言いたいのです。
文化体験とは、遊びでも趣味でもなく、人が生きる上で必須のものだと。
文化体験とは、人間が有するかけがえのない人権だと思います。
(一見すると遊びの時間に見えますが、その本質は人権保障なのです)。

さて、パペットシアターPROJECTは、次のような協働で成り立っています。

文化支援をしたいというNPOがいる(つまり私たち)。
受け入れる人々がいる(K小学校の先生方)。
そこに財政支援をする人々がいる(ちくご川コミュニティ財団様)。

この三者協働があって、パペットシアターPROJECTは、はじめて成り立つのです。
これは、文化支援の鉄則であり、かつそれへの理解が乏しい社会にあっては稀なことかもしれません。

だからこそ、このような輪をもっともっと広げていく努力が必要なのでしょう。

最後にボランティアしていただいた方、日曜日なのに学校に出てこられた先生方、ちくご川コミュニティ財団から見学にこられた方、皆様、ありがとうございました。

そして、古賀様。
今ここで共有しておくべき大事なことを御指摘いただき、ありがとうございました。

【釜】