2020年も残すところわずか。皆様、いかがお過ごしでしょうか?
ただいま劇列車は、「ちょうふく山のやまんば」のリメイクと、新作「どんぐりと山猫」稽古と道具製作が同時に進行しています。
「ちょうふく山のやまんば」リメイクは、9月よりとりかかっていますが、まだ終わりません。残暑厳しい季節から、もうすぐ厳冬期。延々リメイクが続いています。
しかし、時間をかけている分、さらによい作品になりそうです。
「どんぐりと山猫」は、大道具づくりがとてもたいへんです。今回の大道具は、1ミリ以上の誤差が致命的になる箇所も多いため、特に神経をはらっています。神経をはらう分、製作にずいぶんと時間がかかっているのです。
またいろんなことが同時に進行しています。
困難を抱える子どもへの巡回公演(筑後川コミュニティ財団助成企画)は、名称を「パペットシアターPROJECT†困難を抱える子どもへの人形劇観劇体験支援」と決定しました。目下準備進行中です。
朝倉市での「人形劇であそぼ!」ワークショップは、名義後援申請を始めました。
大人のための人形劇学校は、助成団体後援団体への報告書類づくりが始まります。
また日本演劇教育連盟の機関誌「演劇と教育」3月4月合併号に、「ちょうふく山のやまんば」脚本が掲載されます。そのため、掲載用に脚本手直しも進行中。
さて、コロナ禍で激動した1年の振り返りも書きたいのですが、それはまた別の機会にして、一つだけ付記しておきます。
劇列車は、コロナ禍の中で巡回公演激減に見舞われました。これは創造と運動の基盤である財政の困難を招いています。
しかし巡回公演激減の1年を、劇列車はあえて「創造と運動の理論化」にあててきました。
どんな創造もどんな運動も、理論の射程以上には行かないのです。理論の射程を超えた創造も運動もありえない。何故なら、自分たちが考えていないことを、自分たちで生み出すことなどないからです。
演劇関係の方々には、まるで錬金術を信じるように、「いつか自分たちが見たことも考えたこともないような傑作を生み出せる」と信じている方々も見受けられるようです。
しかし、オリジナルな創造にしても、社会の奥深くに向けて地層を掘っていくような運動にしても、残念ながら理論からしか生まれないのです。
考えた範囲を超えたシロモノを、考えた範囲で生み出すなど、とんでも錬金術といってよいのではないのでしょうか。
つまり、理論構築を怠っていれば、模倣以上の地平には行けないのだと思うのです。
その意味で、この1年はとても貴重な1年でした。
またコロナ禍は、現在の日本社会に潜在した問題を可視化させた禍でもありました。これについては、いくつかブログでも書いてきましたが、まだまだ書き尽くしてはいません。
さて、暖かい日であろうが、寒さが身に凍みる日であろうが、トントンカチカチと屋外での大道具作りの毎日です。
そんな中、2020年が暮れようとしています。
私だけでなく劇列車劇団員は、上述各分野の仕事を抱えて、毎日奮闘しつながら、新年を迎えるのでしょう。
2021年は、社会の周縁に追いやられた生きづらさを抱えた人々が、深く深呼吸できるような1年でありますように。
また、ブログをお読みの皆様にとって、幸い多い1年でありますようお祈り申し上げます。
【釜】
ツイート