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平和の土台を創る

2021.01.31 (日)

頓田の森ぴーすきゃんどるナイトの準備が進んでいます。
毎年3月27日の戦争悲劇の日に集まり続けて、今年で14回目となるぴーすきゃんどるナイト。ということは14年目となるということですね。心づくしの寄付だけで会を運営してきましたが、よくぞ続いてきたものです。それも、参加された皆様のご好意の賜です。
そんな市民の皆さんに支えられて、細々とながら続けることが出来ました。

催しの運営主体も「舞台アート工房・劇列車」から「舞台アート工房・劇列車と市民の会」、それから「頓田の森ぴーすきゃんどるの会」へと変化してきました。
「頓田の森ぴーすきゃんどるの会」に変わった時から、劇列車内部の事業計画からは外しましたが、劇列車は相変わらず、ぴーすきゃんどるナイトの運営に関わり続けています。

この会を立ち上げたそもそものきっかけは、頓田の森事件を描いた絵本「しいの木はよみがえった」の演劇化したことにありました。
作品はいつかは終演するけれども、現実の継承問題はあり続けるのですから、この作品をご縁として、現実の継承運動に踏み込もうとしたのです。

最近でも、大刀洗空襲継承の演劇を福岡市のセミプロ劇団がやったようですが、私に言わせるならば、その姿勢に信用ならぬものを感じてしまいます。

もしかしたら、誠意を持って取り組まれたのかもしれません。だったらなぜ作品の終演後に現実の継承運動に取り組まれないのでしょうか?
そこ、私は、欺瞞の臭いを感じてしまうのです。

もちろん、演劇というフィクションと現実は次元の違うものです。現実の運動の側から「欺瞞的だ」と批判することは、演劇の破壊行為につながることなのかもしれません。

しかし、現実との接点を探り、現実との緊張感を保ちつつ創造行為を行うことは、表現者にとって守るべき最低限の倫理なのではないでしょうか?

そんなことを考えて、14年前に、「頓田の森ぴーすきゃんどるナイト」を始めたのです。

さて「記憶とは現在」であると言われます。
記憶をたどっている私は、現在に存在しているわけですから、そもそも記憶行為それ自体が、現在の行為です。
もちろん、人は記憶を思い出すことで、現在を相対化し未来を展望するわけですから、記憶それ自体が、現在と未来を意味づけなおすことなのかもしれません。

毎年3月27日に頓田の森に集う「頓田の森ぴーすきゃんどるナイト」とは、年に一度戦争悲劇の記憶を改めて想起しなおすことで、現在と未来を見つ直す行為なのです。
頓田の森ぴーすきゃんどるナイトは、そんな集いです
。平和の意識形成と平和運動の土台をつくるものです。

今年も開催します。

【釜】






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