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新作「どんぐりと山猫」、人形たちが動き出すおもしろさ

2021.04.12 (月)

3月末に集中した公演がひと段落し、年度末と新年度の事務作業に追われる日々です。
そんな中でも、新作「どんぐりと山猫」の稽古は進んでいます。

人形という“モノ”は本当に不思議です。遣い手が操って初めて動くのです。
…当たり前のことですね(^^)でもこの当たり前のことに、稽古の中で幾度となく気づかされるのです。

どういうことかと言いますと、どんぐり同士のケンカの場面を例にお話します。
“どんぐり”は15㎝程度の小さな人形です。そのどんぐり2体が、大きなどんぐりに向かって体当たりをする場面があります。
どんぐり2体は、一人の遣い手が片手ずつに持ち、操っています。右手のどんぐりと左手のどんぐりは、全く異なる性格です。

この2体のどんぐりがそれぞれ不規則なテンポで体当たりをすると、“右手のどんぐりと左手のどんぐりが体当たりをしている”ように見えます。
ところが、一定のリズムで交互に体当たりすると、“遣い手がどんぐりという道具を使って張り手をしている”ように見えるのです。

どちらも“体当たりをする”という表現を目指して行われた行為ですが、見え方が全く違うのです。
遣い手が動かして初めて動く“モノ”たち。ささやかな動かし方の違いが、見え方に大きな違いを生んでいます。

このような発見の積み重ねで、新作「どんぐりと山猫」の稽古が進んでいます。
毎回の稽古が、毎回の発見が、おもしろい。みなさんにお届けする時点でどのように仕上がっているのか、楽しみです。

【尚】






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