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春休みの巡回公演

2023.03.30 (木)

3月27日、28日、29日と3日連続で、久留米市内3ヶ所の学童保育所巡回公演でした。
桜満開の中、毎日、久留米市内をあっちこっちへ。

作品は全て「どんぐりと山猫というはなし(全面改訂版)」です。

「どんぐりと山猫というはなし(全面改訂版)」
は、今回の3つの学童保育所公演を含め、3月に計5ヵ所で上演してきました。
そこで上演班は、大なり小なりどこでも、ある種の感動を味わってきたことを報告いたします。

さて、その感動とは何なのでしょうか。

それはまず、各上演の場で「観客の皆さんの心の動きが会場を埋めていっている」という事実から生まれた感動です。

観客の皆さんの目に見えない心の動き。
それが会場のあちこちで起きていました。

それが生まれた事実に対して、私たちに生まれた感動。
それが私たち上演班の感動の正体でしょうか。

ほんとうに不思議体験。
初めての経験。

この作品で描かれる酷薄な競争社会は、子どもの日常に埋め込まれた酷薄な現実を寓話化したものに過ぎません。
まぎれもなく、子どもはそんな現実の中を生きています。

ですから、子どもがこの作品に、何かを感じとることは、むしろあたりまえのことなのでしょう。

次に驚いたことを報告いたします。
それは、この作品で子どもたちはビックリするほどよく笑うということ。
これは予想外でした。

しかし、劇が進んでいくにしたがって、その笑いが、(言語化するならば)「もしかしたら酷薄で迫害的な笑いかもしれない」と、子どもが自然と自身で気がついていくようなのです。

テレビやユーチューブでは、酷薄迫害的な笑いが氾濫しています。
ですが、劇を観ていると、無意識的にもそのあたりのことに気づきはじめ、考えはじめている様子が見てとれました。
そしてだんだんと、いつの間にか、自身の生活の様々なエピソードを想起していくようなのです。

それは、もしかしたら、自分の生活に埋め込まれた「スクールカースト的な現実」なのかもしれません。

「おらはなんの役にたつだ?」

その台詞が発せられる時、どの会場でもシンとなります。

子どもの心の動きを描写するならば、劇を観ながら、そんな心の動きを示しているのでしょうか?

ここまで書きながら、上演の現場で起きていたことを報告するには、つくづく筆力不足であることを痛感しています。
書いても書いても、伝えることが難しい。
次で最後にしましょう。

私たちを呼んで下さいました各学童保育所支援員の先生方、そして上演会場によってはお手伝いをいただいたボランティアの皆様に感謝申し上げます。

そして、私たちの作品を観て、笑い、考え、何かを気づいてくれた子どたち、そんなことも楽しいと感じてくれた子どもたち、ありがとう。

【釜】






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