先日の秋月特別公演で、年内の公演がすべて終わった。
振り返ってみると、11月くらいから、定期公演を話題としたブログばっかり。
それだけ新作「太平伝」に難航し、3人でどれだけお客を入れられるかに気を揉んだ。
結果として「太平伝」は、来年の巡回公演を引っ張る作品として出来上がった。
作品としてこなれていくのは、今からの精進だ。
お客様も久留米公演で120名弱と、いい入りだった。
30人で満席に近くなる会場で4ステージをしたので、どの回でもほぼ客席が埋まった感があった。
120人の集客の内訳では、店頭販売で親子券を中心に10枚が売れて、店頭販売で入ったお客様が約30名ほど。
観客動員数の4分の1が店頭販売だった。
手売りによる観客動員から、ちょっぴり抜け出しつつあるようだ。
そして、課題は抱えつつも、身内を対象にした発表会を越えた観客動員の動きに、作品もついてくるようになった。
まだまだだが、いままでとはひと味違う。
劇列車は単純な実演団体ではない。
一つの運動〈ムーブメント〉体だ。
だが、実演創造を基本にして成立している団体なので、実演が弱いと、運動が成り立っていかない。
その意味で、今回定期公演で「ひと皮むけた」ことは間違いない。何よりも、実演団体としての基本的な自信が芽生えた。
ほんとうに、長い年月がかかった。
50を過ぎた人間が、役者としても自分を通用させないと、全く役者が足りないと、人から見ると無謀で笑われる努力を重ねてきた。
5時半から走り、夜間稽古がない日は、帰宅してからの自主レッスンと40分間のストレッチ。
稽古日には、10時半の帰宅、翌日5時半からは走る。
毎日毎日、その繰り返しと仕事。それを積み重ねてきた。
けれども、また今から長い道のりが続く。
その毎日も続く。
しかし、まだまだアマチュア芸だ。
アマチュア芸の域を踏み越えていくまでが、劇列車には必要なのだ。
今回定期公演でお世話になった皆さん、厚くお礼申し上げます。
演劇公演は、木戸銭が派生しつつも「出会いの場」だと思っております。
それはもちろん、プレイヤーとお客様で一つの時間と精神のふれ合いを造る場ですが、公演の成立に一肌脱いでいただいた皆さんと、私たちの絆が生み出される場でもあります。
ご協力いただいた皆さんにとっても、心の収穫ある場であったことを祈念しております。
さて、年末から年始にかけては充電期であるとともに、2012年度の活動を仕込み始める時期だ。
明後日は冬至。
冬至を境に、森羅万象は生気を取り戻していく。
春の訪れがはじまる。
【釜】
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