Calendar

<< 2023/6  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

記事一覧

P新人賞2022最終選考会出場へ

2022.10.17 (月)

秋が真っ盛り。柿の実が色づくにつれて、秋も深まってきているようです。

さて劇列車は、現在の巡演作品「どんぐりと山猫というはなし」で、応募していた「P新人賞2022」の第1次選考を通過しました。
よって、今年の新人賞を決める最終選考会に出場(出演)することになりました。
以上、お知らせいたします。

最終選考会の日程は、2023年2月18日~19日。
場所は愛知県名古屋市ひまわりホールです。
今年の新人賞獲得に向けて、第一次選考を通過した3団体が名古屋市ひまわりホールでの作品上演で競いあいます。

「P新人賞最終選考会」出場は、P新人賞2019に続いて二度目になります。
そもそもP新人賞とは、「人形劇ジャンルの明日を担う斬新な才能を発掘するため」(応募呼びかけチラシ文より)に開催されています。
今年で12回目となる全国的なコンクールです。
主催は愛知人形劇センター。

人形劇分野では、このようなコンクールはP新人賞を除いてはありません(あくまで私の知る範囲でということですが…)

2019年度に出場した時は、どんな空気が漂う場なのか何をして臨めばよいのか、見当もつかず右往左往していました。
ほんとうに。
しかし、ほんとうに様々なことを学んだ機会となったことは間違いありません。

そこには、人形劇という表現形態の可能性にギリギリと挑戦する人々の表現がありました。
そして様々な人々と会話する機会を得ました。
それは活字で学べないダイレクトな学びの機会だったと思います。

例えていうならば、春の山散策を楽しむハイキングをする人々ではなく、冬の日本アルプス槍ヶ岳登頂を目指して完全装備で登山する人々との出会い。
そこから、様々なことを学んだといってよいと思います。

私たちの創造は、この機会を咀嚼することから大きく変わりはじめたのです。
抽象的な言い方になりますが、「表現する行為」の本質を深く深く考えるようになってきた。
それは言えると思います。
これくらいP新人賞2019出場は、私たちにとって大きな意味を持ったものでした。

今回のP新人賞2022の最終選考会では、どんなことを学べるのでしょうか?
たぶん学ぶためには、自らの創造を、ギリギリと突き詰めていることが前提条件となってくる。
そう思えてなりません。

「これ以上は出来ない!」というまでの突き詰めた作業。

(それでもたどり着いてみると、さらに先が見えてくるから不思議なもののですね)

そんな作業を厭わないことが、学ぶ土台を創るのだと思います。

次が最後になります。

P新人賞2022最終選考会出場に関連して、新作「さちのまだ見ぬ物語」は、3月初演を7月初演へと移動させることにしましたので、お知らせいたします。

「どんぐりと山猫というはなし」の練り直しと、「さちのまだ見ぬ物語」3月初演に向けた稽古の同時進行は、到底無理なことです。
どちらも中途半端な表現に終わってしまいます。
それは望むところではありません。

新作をお待ちの皆様、どうか7月までお待ち下さい。
御迷惑をおかけします。御理解をお願い申し上げます。

【釜】






申込受付、始まっています~親子であそぶ人形劇がっこうinくるめ

2022.10.14 (金)

『親子であそぶ人形劇がっこう』とは、身近な材料を使って劇人形をつくり、物語であそんでみるワークショップです。
今年度は“3匹のこぶた”を題材に、お昼ご飯をまたがって、じっくりやってみるプログラムです。
9月の筑紫野開催を皮切りに、11月に久留米開催、12月に朝倉開催を予定しております。

久留米開催は11/13(日)と11/27(日)。昨年、受付開始からあっという間に定員に達してしまったため、今年は2日開催です。
どちらの日程にご参加いただいても、実施する内容は同じです。ご都合のいい日程でお申し込みください。
『親子であそぶ人形劇がっこうinくるめ』の詳細はこちらから。
受付スタートから早くも定員に近づいてきております。
参加をご検討の方は、お早目のお申し込みをお勧めいたします。

日本で携帯型ゲーム機が大流行して30年以上が経ちました。電子ゲームが持ち運びできることになり、「子どもたちの遊びが細切れになってしまう」と警鐘がならされていました。
じっくりと集中して“あそぶ”体験が珍しいことになってしまった現代。
そんな現代だからこそ、じっくりと集中して人形劇で“あそんで”みませんか?

皆様のご参加、心よりお待ちしております。

【尚】






遺贈とパペットシアターPROJECT

2022.10.06 (木)

段々と日が短くなってきました。もう秋です。

さて、10月2日の日曜日、バペットシアターPROJECTのボランティア研修会を開催しました。
バペットシアターの全体像、10月第1回目の当日の動きなど1時間の研修会。
参加されたT様、ありがとうございました。

さて、この研修会でも説明させていただいただいた本事業の資金について、このブログでも皆様にお伝えしておきたいと思います。

この事業の資金は、今年はちくご川コミュニティ財団様の「子ども若者応援助成」から賄われます。
以前簡単に紹介しましたが、この「子ども若者応援助成」は、ある方の遺贈によって賄われています。

つまり、御自分の御遺産を「困難を抱えた子どものために使って欲しい」との強い願いで遺贈された方の遺贈資金を、私たちは使わせてもらっている。
そういうことです。

しかし、それでは大切な何かが伝わりにくいのも事実です。
私たちが、ちくご川コミュニティ財団様の学習会に参加して学んだ具体的事実は、次のようなことでした。

遺贈された方は末期ガンの痛みと闘いながら、それでも遺贈の手続きを進めるために、痛みを緩和するモルヒネも打たず(意識が朦朧とするからです)、手続きを進められたそうです。
そして、遺贈の手続きが全て終わった数日後、息を引きとられたとのことです。

最初は、世界中の困っている子どもやホームレスの方々のために使って欲しいということで、遺贈を考えられるようになったとか。
そして、ガンと闘いながらそれを具体化していった結果が、「子ども若者応援助成」なのです。

その事実を学習会で学んだ時、私はあの「夜と霧」書いたフランクルを連想しました。
「夜と霧」は、ナチスの強制収容所に囚われたオーストリアの精神科医フランクルの書いたあの本です。

「夜と霧」を書いたフランクルは、強制収容所の体験から、次のようなことを主張するようになります。

人生には「創造価値」「体験価値」「態度価値」があると。

「創造価値」とは、何かを創造する価値のことです。
論文を書く。芸術を創造する。おいしい作物を育てる。人を育てる。人の役にたつ。
それらの価値が創造価値です。

「体験価値」は、文字通りの意味。

しかし強制収容所に入れられたフランクルは、創造価値と体験価値の全てを奪われてしまいます。

しかし、フランクルは言うのです。
創造価値と体験価値が奪われても、私から態度価値を奪うことは誰にも出来なかったと。

態度価値とは、どう振る舞うかという価値のこと。
例えば、ある囚人が別の飢えて衰弱した囚人の横を通る時、このパンを差し出して与えたら自分が衰弱して死ぬ。
そのことがわかっていても、ぞっと自分のパンを衰弱した囚人の横に置いていく。
そのような選択制をする囚人たちが確かにいた。
フランクルはそう言います。
これが振る舞いの価値、態度価値です。

フランクルは、強制収容所の中であっても、人間は日々無数の選択を迫られると言います。
向こうから押し寄せてくる無数の選択との応答関係、それが態度価値です。
これは、何も強制収容所の中だけの話ではありません。
あらゆる人間は、日々向こうから押し寄せる無数の選択をしながら生きている。
フランクルは、そう言います。

話を戻します。

遺贈された方の振る舞い方を聞いた時、私はフランクルのその話を連想したのです。

末期ガンの激痛と闘いながら遺贈の手続きをされた方。
その方は、最後まで御自分の態度価値(押し寄せる痛みの中で自分が何を選ぶかという選択の価値制)を手離さなかった。
そう連想したのです。
見事に生き抜いた方です。
人間は死の瞬間まで、自分の人生の意味を創造することが出来るのです。

私はその方の御名前を知りません。
その方が遺贈者の名前を明かさないようにお願いして亡くなったので、私は知ることが出来ないわけです。

でも、このようにして生まれた資金を活用して、バペットシアターPROJECTが開催されること。
それは、ブログをお読みの皆様に伝えることが出来ます。

さあ、10月になりました。
バペットシアターPROJECT†困難を抱えるこどもへの人形劇観劇支援事業が、いよいよ開催を迎えます。

【釜】






親子であそぶ人形劇がっこうinちくしの~終了

2022.09.25 (日)

今日は親子であそぶ人形劇がっこうinちくしの。
紙コップと軍手を使って、こぶたとオオカミ人形をつくり、親子で遊んでみるワークショップでした。
ご参加いただいた親子のみなさま、ありがとうございました。
また、お手伝いいただいたボランティアのT様もありがとうございました。

今回は、お昼休みをはさんで、午前と午後合わせて4時間のプログラム。
こどもたちも、大人の皆様も、とっても集中して人形をつくっていました。
毎日忙しい日々を過ごされる中、「子どもと一緒に時間をかけて工作をする体験が新鮮」というお声をいただきました。
出来上がった人形たちが個性豊かに、いきいきと動きだしている様子を見ながら、私もとても嬉しく、楽しい気持ちになりました。

少し落ち着いてきたとはいえ、コロナ禍の中で子どもたちの活動はまだまだ制限されています。
私たちのワークショップも、十分な距離を取れる座席配置、室内の換気やマスク着用などの感染対策を行ったうえでの実施です。

活動に対して制限をしながらの実施ですが、それでも子どもたちは、他の人が作った人形に興味を持ち、そこから刺激をうけて、自分が作る人形に活かしていました。
人形劇あそびについても同様です。他の子どもたちから刺激を受け、一緒になってあそび始める姿もみられました。

一堂に集って、互いに刺激し合って、素敵な時間を共有する。このような体験が子どもたちの豊かな育ちに必要だと、改めて感じました。

【尚】






えんげきひろば見学

2022.09.11 (日)

昨日は、サザンクス筑後にて「こどものためのえんげきひろば」を見学させていただきました。

見学を快く引き受けていただき、また終了後に、質疑応答の時間をとっていただきましたK様、G様に厚く感謝申し上げます。

正味二時間のえんげきひろばの時間。
「表現を楽しもう」とのねらいの下、楽しいプログラムが組まれていました。
こどもたちも楽しんで取り組んでいる様子。
場の空気が段々と密度を増し、暖かくなっていく様子が、手に取るようにわかりました。

今回、実際にえんげきひろばを見学させていただいて、昨年の市民人形劇学校~研究・実践交流編でのK様報告(こどものためのえんげきひろばの報告)を、実感としてとらえることが出来ました。

質疑応答にも率直に答えてくださり、豊富な体験と深い知見に裏打ちされての実践であることも、よくわかりました。
お時間をとっていただき、ありがとうございました。

さて、劇列車は今年、地域での様々な演劇教育の現場を見て歩こうと計画しています。
といっても、通常の私たちの業務と創造の合間をぬっての取り組みであるため、見学数自体は僅かになると思います。

それは私たちの学びであると同時に、往き来をすることで、少しずつでも何かが生まれたら、と思っているからです。

人が隣を通過していくと、微かに巻き起こる空気の揺らぎ、のような微かなもの。
生まれるものは、そんなものかもしれません。

でも、そんな空気の揺らぎが、実践にも地域にも大切だと思うのです。
閉じていては、揺らぎが生まれない。
空気が動かない。

よく言うではありませんか。風通しがいいとか悪いとか。
実践は、風通しが良いと段々と高まっていきますし、風通しが悪いと、どうしても停滞していきます。

訪問者(民俗学風に言えば「まれびと」)が必要なのです。
これは、私たちの長年の活動からの実感です。

私たちが訪問することで、私たちがトクをするだけでなく、訪問を迎え入れる側にも、某かトクになるものが生まれたら、こんなに嬉しいことはありません。
ということで、これから訪問の打診をさせていただく方々、快く迎え入れていただければ幸いです。

最後に、演劇と教育研究委員会の第二回目のお知らせです。

10月30日(日)。
13時半から15時半。
山猫舎にて。
「わくわくチャレンジ劇団」M様実践報告を中心に開催されます。

どなたでも参加できます。皆様、どうぞお越しください。

【釜】






ページ移動