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遺贈寄付シンポジウム

2023.09.11 (月)

桜の葉が散りはじめました。残暑の中にも、そっと秋が訪れています。

さて、一昨日の9月9日土曜日は、ちくご川コミュニティ財団様主催の遺贈寄附シンポジウムがありました。

劇列車は、昨年子ども若者応援助成を受けて、パペットシアターPROJECTを3ヵ所で開催しました。
そのご縁で、パペットシアターPROJECTの報告機会をシンポジウムの中でいただきました。
お陰様で、たくさんの方々にこの事業の成果を伝えることが出来て、嬉しく思っています。
お聞きくださいました皆様、私たちに声をかけてくれた皆様に、あらためてお礼申し上げます。

さて、遺贈寄付シンポジウムで私たちが得た成果、それは次のようなことです。

それは…。

様々な場所で、様々な人たちが、困難を抱えた子どものために奮闘してあるということ。
その発見です。

当たり前のこと言うなと思われるかもしれませんね。
私たち含めて昨年の助成を受けた団体から2団体、今年度助成を受けた団体6団体、合わせて8団体が一同に会したところで、私個人はあらためてそう思いました。

私たちもそうですが、活動を続けると、どうしても、のっぴきならない壁にぶつかります。
それを一つひとつ乗り越えながら活動は持続していくのです。

9月9日に一同に会した各団体様もそうかもしれません。
だからか、発言された皆様の一つのひとつの発言の背後に、壁を乗り越えてきた重みと、支援を続けてきた困難を抱えた子どもの息づかいが感じられるのです。

だから心の琴線に触れてくるのです。
だから爽やかな風がふいてくる感覚が生まれるのでしょう。

参加された皆様の今後の御奮闘をお祈りするとともに、私たち劇列車も頑張っていきます。
今後、お互い何らかの形で連携が広がっていけばよいですね!

最後に。

こういう場を設定されたちくご川コミュニティ財団の皆様に感謝するとともに、遺贈寄附をされた故F・S様の御意志に感謝申し上げます。

想いがつながり、それが広がることから生み出された奇跡。そんな素晴らしさを感じた1日でした。

【釜】






人形演劇さちの物語稽古の近況は?

2023.09.04 (月)

9月になりました。少しずつ朝晩が涼しくなってきています。

今日は新作「さちの物語~貧乏神とさちの物語」の進行状況の報告です。

繰り返しになりますが、初演は12月17(日)名古屋ひまわりホールです。
P新人賞2022受賞記念公演となります。
これはなかなかのプレッシャーですが、それもいい作品を生み出すための試練と思い、日々頑張っていますよ。

現在は、立ち稽古第1クールが佳境です。
来週中には、第1クールを終えて、第2クールに入れそうです。
第1クールを終えた各プロットがそれぞれに魅力を放っています。
いや、この段階で魅力を放たないプロットがあれば、ブラッシュアップのやりようがないのですから、これは当たり前。

長い脚本の練り直し期間をかけた脚本です。
脚本初稿完成から、読み稽古や半立ち稽古を断続的に挟みながらの書き直し(練り直し)期間は、約1年間。

その甲斐あってか、ドラマ自体が強靭なものになっています。
かつ魅力的なものに。

この作品のいくつかの特徴をあげてみます。

■主人公の中学3年生「さち」の心が、さちの小学校4年生時のさち(人形)との対話で表現されています。
舞台空間を緊張させる対話(さちの自己内対話部)が生まれています。

■ドラマの展開では、民話「貧乏神と福の神」のラストシーンの3回にわたる反復が行われます。そして同じラストシーンが、少しずつ変化していきます。
それは、さちの心の変化でもあるのです。
人形劇表現独自の面白さが、だんだんと生まれています。

■そのドラマを支える小道具が、退部届とノート、そして仮面。この三つが、ドラマを効果的に支えそうです。
最も仮面のデザインは試行錯誤中ですが…。
大切な試行錯誤です。

さて、本作品製作にあたり、いろんな方々と対話する機会を得てきました。
そこで見えて来たことは…。

この作品はDV被害者「さち」の被害そのものを描いているのではないということです。
DV被害者「さち」の生きがたさと回復を描いた物語なのです。
そうやって、静かにDV被害の深刻さを淡々と描き出しています。

もちろん、DV被害の影響は長く長く続きます。
しかし、主人公さちは、確かに、長く続いていくであろう回復のきっかけを掴むのです。
そんなドラマであることが、はっきりと見えてきています。

決して声高にDV被害を告発する作品ではありません。
さちの生きがたさ(人間関係づくりの困難さ)から、DV被害の深刻さが見えてくる作品です。

劇列車作品の中では久しぶりに、俳優劇に最接近した作品でもあります。

皆様、どうか御覧ください。久留米での初演は、来年3月。石橋文化センター小ホールです。

【釜】






夏の人形劇巡回、福岡のあちこちで

2023.08.25 (金)

昨日で夏の巡回公演を無事に終えました。
そのラストステージは城島町の学童保育所様。「一郎くんのリスタート」での上演でした。

筑後川の堤防道をずっと下流の方へ。
車を走らせて、向かった先は美しい田園に囲まれたコミュニティセンター。
大川市との境に近いところです。

コミュニティセンター職員の方の温かい心遣い、支援員先生の心のこもった子どもたちへの語りかけ。
素敵な1日になりました。

特に私たち上演班にいただいた「素敵な職業(上演活動)ですね」との言葉。それは、滅多に言われたことのない言葉です。
私たちのしごとの意味を再確認できた嬉しい一言でした。

さて、夏の巡回公演の内訳は、「一郎くんのリスタート」上演が4ヵ所、ミニ人形劇上演と人形展示が1ヵ所です。
上演会場は、各コミュニティセンターのホール3ヵ所、公共ホール会議室1ヵ所、小学校体育館1ヵ所です。

そして私たちは、今夏の巡回公演で、ある大切な気付きを得たのでした。
それはこういうことです。

巡回作品「一郎くんのリスタート」は、P新人賞2022受賞作です。
日本児童青少年演劇協会主催の劇作家養成講座でも評価を得た作品でもあります。

そのような完成度の高い作品を、巡回先に持ち込むことで見えてきたことは?

それは「作品は必ずしも分かりやすいとは言えない。だけどそれでいい」ということ。
「自信を持って臨んでいい」ということ。

小学校1年生に、この作品の主題を捉えてもらうのは、確かにムリがあるかもしれませんね。
しかし侮ってはいけません。
言葉に出来なくとも、直感的に捉えている可能性は否定できません。
また作品の完成度で、表現それ自体を楽しんでもらえます。
そんな様子がどこでも見られました。

これも鑑賞の一つのあり方だな…。
大切なことは、見てくれた皆さんがそれぞれに満足することだな…。

そう深く確信させられた今夏の巡回公演でした。

いささか乱雑なまとめ方ですから、意が伝わりにくいと思います。
ですがこの気付きは、私たちにとって大切な気付きでありました。
なぜなら「難しい」という言葉の方が、私たちかには聞こえてきやすいからです。
それは私たち上演班にも、微妙な影を落としてきます。

「難しい…」。

この言葉は、大人の方のほうがよくおっしゃいます。
もしかしたら、世の大人たちの多くは「分かりやすいもの」「楽しいエンターテインメント」を求めすぎているのかもしれませんね。
そしてその尺度に合わないものを切って捨てているような…。
そんな娯楽の消費者になることに、馴れてしまっているのかもしれません。

でも。

もし「楽しいエンタメ」しか存在しない社会になったら…。
それこそつまらない。
大切なことは、いつも複雑な顔と陰影を持っています。

それを可能な限り伝える努力をして、それでも残ってしまう「分かりにくさ」。
それは、そもそも立ち止まって考えるに値する大切なことが、おしなべて複雑な陰影を持っているからではないでしょうか?
そんなことを考えました。

私たち上演班は、いつも1回1回の上演を振り返りながら学んでいます。
そして季節毎の単位でみると、いつも認識の次元を刷新しています。

今夏、巡回先でお会いした皆様、大変お世話になりました。
どこの会場でも、皆様と交わしたさりげない会話から、私たちは多くの発見を得てきたのでした。
厚くお礼申し上げます。

【釜】






パペットシアターPROJECT報告会開催しました

2023.08.21 (月)

昨日はパペットシアターPROJECT報告会でした。
参加された皆様、報告をしていただいたポナペティの田町様、ちくご川コミュニティ財団理事長の宮原様、ありがとうございました。

弊団体の報告含めて、皆様のお蔭で、よい学びの会になりました。
お礼申し上げます。

さて、パペットシアターPROJECTは、弊団体一団体で出来るものではありません。
困難を抱える子どもへ支援を行っている連携団体と弊団体、そしてそこに助成をしていただけれる助成団体が揃い踏みをすることで、はじめて開催出来ます。
あらためて、それを実感させられた報告会でした。

御発言いただいた皆様にも、あらためてお礼申し上げます。
皆様の御発言で、学びを深めることが出来ました。

さてパペットシアター報告会は、困難を抱える子どもへの文化体験支援に対する地域の理解増進、支援への人と人のつながりを強めることを目的に開催されました。
つまり、支援に対する人の輪の拡大。
その成果は十分にあがったといえます。

一方で、支援の輪の拡大がまだ限定的であることも事実です。

困っている子どもを見捨てない。
分かりやすい直接支援(もちろんこれも大切です!)のみでは、困難を抱える子どもの抱える壁は、崩れにくい。
文化体験支援含めて、いくつもの支援プログラムの組み合わせが大切。

そんな当たり前の事実に対する共通理解を広げていくのが、こんなにも大変なこととは…。
それは分かっていたことですが、実際に呼びかけていくと、こんなにも大変なことだと予想していませんでした。
それも今回報告会の収穫だと思います。

呼びかけること自体が、理解を広げていく運動である。
そう痛感しました。
だから、めげずに呼びかけていこう。
そう腹をくくって頑張ってきたのでした。
その結果、良い会が出来ました。
皆様、ありがとうございました。
来年度の報告会は、また違った形で行いたいと思います。

最後に。

報告会を終えて、今から事務局は、独立行政法人福祉医療機構(WAM)こどもの未来応援基金に対する来年度助成申請書類作成に入ります。
これが、事務局の次の山場になります。

助成を必ず獲得する。
そのために、来年度の計画を可能な限り、緻密にたてていく。
そんな構えで、この山場を乗りきっていくつもりです。

【釜】






パペットシアター報告会へ

2023.08.17 (木)

お盆も終わり、猛暑もいくらかやわらいできたようです。
上演班による夏の巡回公演も、4ヵ所への訪問公演を無事に終えて、残すは1ヵ所のみとなりました。

さて、今日は事務局の動きを報告します。
ひとつは、8月20日開催の「パペットシアターPROJECT報告会」。
パペットシアターPROJECTは、困難を抱える子どもへの無料の文化体験支援事業のこと。
その報告原稿も仕上がって、報告会準備に邁進中です。

困難を抱える子どもへの無料の文化芸術体験。

そう言われても、ピンとくる人はまだ多くはありません。
ですから、なかなか規模の大きな報告会になりにくいようです。

しかし、「こんなことあるよ」と周囲の皆様にお伝えしていくことも、困難を抱える子どもが置かれた現状に対する理解を広げていくことにつながります。
そう考えて、事務局はいろんな皆さんに電話やメールでお知らせしてきました。

弊団体事務局長からの本事業報告は、内容豊富ないい報告になると思います。
皆様、是非ご参加ください。
参加申し込みはこちら。
事前申し込みなしの当日参加も受け付けます。

二つ目は。

来年度のパペットシアターPROJECTの助成申請時期がやってきました。
来年度は、現在3ヵ所の連携・支援先を6ヶ所への連携・支援先へと拡大する計画です。
(現3ヵ所+新規3ヵ所の6ヶ所)。

それを目指して事務局は、7月下旬から8月上旬にかけて、新たに3ヵ所の新規連携先開拓のために、あちらこちらと飛び回っていました。

その結果、新規団体様3ヵ所との連携がスタートすることになりそうです!

2024年度パペットシアターPROJECTは、現連携団体3ヵ所(近々来年度について相談予定)+新規連携団体3ヵ所の計6ヶ所との連携事業として規模を拡大して、今から申請書づくりが始まります。

さて、新規連携団体様のご紹介は別の機会に譲ります。
皆様、楽しみにお待ちくださいね!

また来年度連携団体は、まだ公募中です(8月31日まで)。
後1~2団体との連携は可能です。
奮って御応募ください。

経済的格差、不登校、外国籍などの困難を抱える子ども・親子への支援を行ってある当事者支援団体の皆様、支援活動の維持自体大変なことと思いますが、どうか弊団体の文化体験支援を受け入れていただければと思います。

それだけ意義と効果の大きいパペットシアターPROJECTです。
御検討いただきますようお願い申し上げます。

【釜】






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