新作うしかたやまんば

きんぽうげ、野あざみ、しゃがの花も咲きました。
春満開ですねえ。

さてブログ更新がしばらく止まりました。
新年度の多忙の中で後回しになってしまい、申し訳ありません。

通常理事会総会準備、巡回公演広報準備、2024年度パペットシアター PROJECT始動準備、新作製作開始…。

なんだかたいへんそうに見えますよね。
実際たいへんなのです。羅列してみると、少しは皆様に伝わるでしょうか。

様々ことが、それぞれに重要なのです。
このスタート段階での仕込みの有り様が、2024年度に劇列車がどこまで走ることが出来るか、それを決めてしまいます。
その意味で、様々なことがそれぞれに重要なのです。

さて、今日は一つに絞ってみましょう。
新作「うしかたやまんば~里の婆が語るむかしばなし」についての、広報第一報。
それが今日のブログとなります。

「うしかたやまんば」。
この作品は、小学校1~2年生を中心においた久しぶりの低年齢向き人形劇作品になります。

子どもの発達段階からみて、どんな作品にしていくのか?
脚本段階で、そこにたいへん時間が割かれてきました。

一つ目の問い。
「いわゆる子ども向き作品としてしまえば、私たちの感じているものを手加減しようとすることにつながり、それは子どもをバカにしていることではないか?」。

二つ目の問い。
「子どもの発達段階を無視しての創造は、児童青少年演劇といえるのか?」

なかなか容易に一つになってくれないこの二つの問いの前に、何度も書き直しが進みました。
要約すれば、これは演劇観と子ども観の問題です。

この二つをどう統一するか?
これがなかなかに難しい。

優れた作品には、必ずと言っていいほど、この統一された土台がしっかりとあります。
表現の強度は土台づくりが支えるのです。
ですから、ここにも手抜きは出来ません。

そうして、脚本第6稿段階で、やっと稽古をスタートさせることが出来ました。
現段階では、脚本に沿いながら、空間とモノ(人形)の関係の土台づくりを進めています。

えっ…。
なんのこと言ってるの?

そう思われるかもしれません。

これは、「空間の中でモノが引き立つ位置を探っている」ということです。
例えると、部屋の中に飾る絵が引き立つ位置と、それほどでもない位置がある。
そんなことに気づいた経験をお持ちの皆様は、それなりにいらっしゃると思います。
その引き立つ位置を探っている段階と言えば、伝わりやすくなるでしょうか?
これはこれで、時間のかかる作業なのです。

どうにもピタッとくる位置と動きが見いだせない。

どうして?
あぁ、そうか。
ドラマの本質をとらえ損なっていた…。
このモノの動きと位置ではダメなんだ…。

そんなこともよく起きます。
このような試行錯誤には、知性と感性が総動員されますから、当然時間もかかるわけです。

最後にお知らせです。
この作品は、7月6日(土)に幼稚園関係の協会による大規模な祝賀行事の出し物として、久留米シティプラザ久留米座にて初演されます。

7月21日(日)には、石橋文化会館小ホール「おやこ人形劇場」にて一般公開されます。

皆様。
7月21日のおやこ人形劇場にて、その試行錯誤の結果を御覧いただければ、こんなに嬉しいことはありません。
(詳細は後日発表)

【釜】